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Lee-Byung-hun addicted

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Dreaming of LA <9>

Dreaming of LA 9



ビョンホンの暮らすアパートメントの前に車が止まった。

ダウンタウンの夜はとても静かだった。人影もない。

「付き合ってくれてありがとう。お疲れ様。ゆっくり休んでね。」

揺は静かにそう口にした。

視線はフロントガラスを見つめている。

「近いな・・・もう着いちゃった。
やっぱり・・タクシーで帰ってくればよかったよ。
帰り道一人じゃ心配だし・・・帰したくなくなっちゃった」

ビョンホンはそういうと彼女のギアに乗せられたままの手をそっと握った。

「もう・・明日も早くから仕事でしょ。
私は大丈夫よ。まだそんなに遅くないし。心配性なんだから」

彼女は笑いながら、今度は助手席と反対の窓に顔を向けた。

「揺・・・」

「ん?」

「揺・・・」

「何?」

「こっち向いて」

彼は彼女の肩に優しく手をかけた。

「なんで。もうお化粧落ちちゃってるから、見せられる顔じゃないもの」

「揺・・・」

彼は彼女の肩を引き寄せた。

無理やり振り向かせた彼女の頬には涙がつたっていた。

「だから振り向かないって言ったのに・・」

揺は少し怒ったようにそう言うと、彼の手を振りほどき、手の甲でせわしなく涙を拭った。

「また、やせ我慢して・・・」

彼は呆れたように微笑んで、まだかすかに濡れている彼女の頬にそっと手を当てた。

「揺・・我慢しない。隠し事もしない。そう約束したよ」

「・・・・・・・・・・ごめん」

揺は小さな声でそう答えると彼に抱きついた。

「バカだな・・俺だって揺と一緒にいたいんだから、一緒に居ればいいだけだ。
我慢することも悩むこともないのに・・」

笑いながらやさしく彼女の髪を撫でる。

「邪魔にならない?迷惑かけない?」

揺は不安げにつぶやいた。

「大丈夫・・俺を信じて」

そうささやいた彼の揺を見つめる瞳は優しく、でも力強く。

そして、彼は優しく・・でも力強く揺を抱きしめた。

そして、その唇も・・・・優しく・・力強く彼女の唇を包んでいた。


                

「・・・・・」

「?」

「・・・・・・」

「何?何笑ってるの?」

二人は彼のベッドの中にいた。

気を利かせた同居人たちは早々と各部屋に入り。

まだ10時だというのにアパートメントは静寂に包まれていた。

揺はさっきからクスクスとベッドの中で笑っている。

「揺・・何が可笑しいの?」

不思議がる彼。

「ん?最高に幸せなの。
こうして二人で朝まで一緒にいられるの久しぶりでしょ。」

そう答える揺はやさしく彼の髪を撫でた。

彼の形の綺麗な鼻を指でたどり唇をそっとなぞる。

「お髭がないのもそういえば久しぶりだわ。
こうやって間近でゆっくり顔を眺めるのも久しぶり。
この間はこんな余裕なかったもの。
こうやって胸を触るのも・・・・わっ!本当に硬いね・・凄~い。
また凄くなったね・・・」

揺は彼の鍛え上げられた胸板をコンコンと叩く。

「あら、脇腹にお肉がなくなっちゃった・・・あれ好きだったのに・・
それから・・」

揺は悪戯っぽい表情で掛けられた布団の中に手を忍ばせた・・・。

「おい・・ちょっと・・・」

二人のふざけあう声が部屋に響く。

「シーッ」お互い口に指を当て肩をすくめた。

「お前ばっかりずるい。今度は俺の番だ」

彼はそういうとゆっくりと深く彼女の口をふさいだ。



朝、彼が4時に目を覚ますと彼の腕の中で彼女はスヤスヤと寝息を立てていた。

穏やかな寝顔を見つめる。

今日もいいことがありそうだ。

いい仕事ができそうな気がした。

彼は彼女を起こさないようにそっとベッドから起きると、
やさしく彼女の頬にキスをする。

「おやすみ・・・・揺」

彼が部屋を後にすると揺は目を瞑ったまま、にっこりと微笑んだ。


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